「いつか絶対、“おみそれしました”って言わせてやるんだからね!!」
「ケッ、無理だ無理!そんな分不相応な願いは諦めることだな」
「…こんのっ……バカイト!」
「それやめろよ!なんか今流行のボーカロイドとかぶるから!」
「わっけわかんないっ!!」
他愛のない口げんかだけど。だんだん白熱してきて(一方的に)、何が何でも言わせてやりたくなった。「おみそれしました」と。
(…ってもなあ。快斗、できないことなんてないんだもの)
悔しいけれど、こいつは文武両道で。性格にはやや難有かもしれないが、人望はある。そんな快斗に、一体どうすればおみそれしましたと言わしめることができるのだろう。
「……はっはーん。」
にやり、と笑みを浮かべると、くっくっくと薄気味悪い声を上げる。
「な…なんだよ?」
「わかったの、あんたを降参させる方法。」
ただし今すぐは無理だけどね、と返せば、快斗も負けじと強く出る。

「おーおー、やれるもんならやってみろよ」

「後悔させてあげるからね…覚悟しときなさいよ!!」
「へっ、一昨日きやがれってんだ!」



「おみそれしましたあああああああああ!!!!!!」
「あっはっは、頭が高い!高いぞおおおお!!!」
「へぶっ!おま、今踏んだな!?踏んだだろぎゃあああ!!」
「あはははははははははー!!!」

「……紅子ちゃん。アレ、なに?」
「………しめ鯖ね。」

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