「中尉。あれを取ってくれ」 「はい」 「例の件、あそこに乗せておいたが」 「気付きました」 「大佐、あれはあちらに出しておきました」 「ああ、ありがとう。次はそれを向こうへ」 「わかりました」 珍しく真面目に働いているロイ、そのロイのお守りをしているホークアイを見て、ハボックはブレダに話しかけた。 「…なぁ。あれ、何言ってるか分かるか?」 「…わからん」 「ツーカーの仲というやつですね。そもそも何故ツーカーと言うかというと」 「あーもういいから」 ファルマンを手で制し、ブレダは呆れ声で言った。 「いいんじゃねぇの?本人達には通じてんだからよ」 「や、その分にはいいんだけどよ…」 こちらにつかつかと歩いてくるロイを見ながら、ハボックは呟く。 「ハボック少尉。これを、あそこへ持っていってくれ」 「…俺には通じないっスよ…」 げんなりと言うハボックに、ホークアイが声をかける。 「あの、六番街であった事件。解決したから、中央行きの袋にいれておいて」 「…へい」 「…成程。」 ブレダが妙に納得した声を出す。二人の間でやるなら構わないが、自分を巻き込むなと言うことか。 「ブレダ少尉、手が休みになっているぞ!」 ロイの声に慌てて職務に戻りながら、ブレダは苦笑する。うちの大将はいい部下を持ったもんだ…と。 ---------------------------------------------------------------- 2004.3.15 BACK |