「私の骨は海にまいて欲しい」 「魚が喜びますね。カルシウムが摂取できて」 「…後任は…」 「中央辺りから誰かいらっしゃるんじゃないでしょうか」 「仮に私がいなくなっても」 「仮説ほど無意味なものはありませんね」 「私はきみの中にいるよ」 「…何にかぶれたんだか知りませんが、気色悪いこと言ってる暇があったら手を動かしてください」 「きしょ…!?」 「はいはい、次はこれですよ」 「うがああああああっ!!!」 つまり。 “こんなに山ほどの書類を処理してたら、身が持たない。マジ死ぬ” とロイは愚痴っていたのだ。 そのことごとくを切り返され、もはや返す言葉はない。 (うー…でも…) 「気色悪いって、上司に言うセリフか…?」 「はい、次はこちらにハンコを」 「…ラジャー」 考える間すら与えてもらえないのか…。 私はきみの中にいるよ。 …その部分だけ、妙に脳内に響く。 今でも十分、自分の中に彼がいることが分かっていたから。 …それを悟らせないようにしているなんて、あなたは気付いていないでしょう?