たとえば暖かな春の陽射しの中で、芝生の上に敷くためのシート。その上に乗せるテーブルだとか、椅子だとか、ちょっとした花瓶だとか。お茶会のために使うカップやポットは、ひどかった茶染みをソフィーが根性で落としていた。(一声かけてくれれば魔法ですぐ綺麗にしたのに) そう、掃除をする時に頭に巻くスカーフ。色は様々なものがそろっているけれど、ピンクがお気に入りらしく色落ちが一番ひどい。たまにはこんなのも使いなよと迷彩柄を渡したら、「掃除をするのにそんな柄のつけられるわけないでしょう!」と怒られた。いったいどういう理屈で成り立っているのか、掃除をしない僕にはてんでわからない。仕方ないので、ピンクを少し増やしておいた。 そうそう、同じく掃除をする時に使うほうき。いったいあの部屋のどこから見つけてきたのかと、感心する。僕の大事なクモをはき出さないように再三注意はしているけれど、この前からまっているのを一匹見つけた。僕が怒ったら、「はいていない。掃除が終わった後に自分から入り込んだんでしょ」と言われた。結局真実を知るすべはないので、今回は僕が黙ることにする。後日掃除しているところをちらりと見たら、ソフィーは本当に気をつけて掃除していた。疑ってごめん、ソフィー。 いくらでも新しいものを買うといっているのに、つくりがワンパターンの服を好んで着るからそれでいっぱいの君の洋服ダンス。ふわふわだと寝心地がかえって悪いというから、そこそこ硬さもあるベッド。僕が風呂を使う頻度がすごく高いから、気にせずいつでも使えるようにソフィー用に作ったシャワールーム。 マルクルやヒンと一緒に花を摘みに行くときに使う、大き目のバケット。 出かける時にすぐ手に取れるようにおいてある、お気に入りの帽子。 洗濯物を干すためのロープ、洗濯ばさみ。 洗い物を拭くためのタオル。 裁縫用の針、糸、布。 ぼくの、こころ。 君がいなけりゃ、何の意味もない ---------------------------------------------------------------- BACK |