きゅっ、きゅっ 「……ふふ」 きしっ、きしっ 「あははっ」 真っ白で、何の汚れもなかった校庭に足跡が刻まれていく。 きゅっきゅっ、きしっきしっ。 「…何してんだ?」 「あ、快斗。おはよー」 くるくる回りながら言った姿は、雪まみれだ。まだ空からは、絶えることなく雪が降っている。 「雪、踏んでるの」 楽しそうに言って、続ける。 「雪の音、聞いてるの」 きゅっきゅっ、きしっきしっ。 つけたばかりの足跡も、消えゆくほどの雪。 「…で、どうだ?」 答えは聞かなくても、わかっている。 「うん。…サイコー」 しんしんと雪が降る。きゅっきゅっと足跡をつける。 「オレも混ぜてくれる?」 「ふふっ、ご自由にー」 …雪の音が、聞こえる。 ------------------------------------------------------------ |