「…おぉ、寝てる」 昼休み。「昨日徹夜で新刊読んでたせいで…眠いんだよ」と保健室へ向かった新一を迎えに来た私は、そっとベッドを覗いた。 …かわいい。 「いたずらしたい…」 顔にヒゲでも描いてやろうか、それともこの寝顔をこっそり写真にとって貼り出してやろうか。 「…うん、この寝顔を皆に見せるのはもったいない…よし、ヒゲを描こう」 いそいそと保健教務の机からペンを拝借する。そういえば先生、どこにいったんだ?いないけど… 私はそっと新一に近付き、顔に手を伸ばした。 がしっ。 「…へ?」 「な〜にをしようとしてんだ、オメーは」 「をををををっ!?」 がっしりと腕を掴まれ、私はもろに慌てた。寝てると思ったのに! 「し、新一くん?手を離してくれると嬉しいなー」 「ヤダ。」 「うわ即答!?」 「んー、でもまだ眠い…」 「じゃあ」 手を離してもう一度寝なよ。 私がそう言おうと口を開いたとき、突然強い力で腕を引かれた。 「きゃうっ!?」 どさっ。 …気付いたときには、新一の横に寝てました。というか腕の中。 「って待て待てなんだこの状況!離せ変態!」 「…変態はないだろ、変態は。」 言って、眠そうにあくびをする。 「…ねみぃんだよ…おとなしくしてろって」 「あ、あのねぇ…あ、ほら!保健の先生帰ってきちゃうよ!」 「来ない。」 あっさり断言され、思わず言葉に詰まる。 「…なんで。」 「…机の上は綺麗に整頓されていて、いつも使っているくたびれた茶色い鞄は定位置にない。さらに、壁にかかっているはずのコートもない。極め付けは入り口にかかってた鍵だな。もう今日は帰ってこないだろ」 「…鍵なんかかかってなかったけど?」 「オレが開けた」 「…そう。」 「さ、もういいだろ?昼寝昼寝!」 「ぎゃあ!どこ触って…ってちょっ、待って…!」 …結局、一緒に寝てしまいました。夕方まで。 授業さぼったのを怒られたのはともかく、その日の夜に新一がメールで送ってきた画像。 …私の寝顔を見たときは、キレそうになったけどね! ---------------------------------------------------------------- 昔設置してたWeb拍手用に書いたのですが、予想以上に長くなってしまったので。 普段は書かない新一くん夢でした。慣れてなさがバリバリに出ています(苦笑)(←追記:この頃はまだ快斗夢オンリーだったんですよ) 2004.5.20 |