「お邪魔しまーす。快斗くんいますか?」 「あらちゃん、こんにちは。快斗ねー…さっき物音がしてたから、屋根の上かしら?」 「ありがとう、おばさん」 Shine 溢れだした この空の下 少し眩しい日差し 二人吸い込んだ 「いたー!」 「ゲッ、…なんでこんなとこ上ってきてんだよ!危ねーだろーが!」 屋根へと上ってきたを見て、快斗は慌てて駆け寄った。 「ほらよ、ここまで上れば平気だから。…来られるか?」 「うん」 差し出された右手に素直に捕まり、はひらりと屋根の上へ飛び乗った。 「…で?何かオレに用か?」 「…あの飛行機、快斗乗ってたでしょ」 「知らねーなぁ」 北海道ですごい不時着をした飛行機のことだ。そちらの記事が大々的に扱われているせいでいまいち影が薄いが、その近辺にキッドがいたのは確かだ。 「とぼけたって無駄ー。快斗、『北海道でカニ食ってくる』って出かけてったじゃん」 そっぽを向いた快斗の前に回り込み、は顔を覗き込んだ。 「…なんだよ」 「えい」 「いででででっ!?」 突然左腕を握られ、快斗は不覚にも悲鳴をあげてしまった。 「…やっぱり怪我してるじゃん」 さきほどから、どうも左手の様子がおかしかったのだ。ぷぅ、とふくれてが言うと、快斗がぽん、と肩に手をおいて言う。 「…いきなりだったからビビっただけだよ。心配すんな。ほんとに、大した傷じゃねーからよ」 言って、にっと笑う。 「天下の怪盗キッド様だぜ?これしきのことでどうにかなったりしねーよ」 「あ…う、うん」 Eyes まばたきさえ 忘れそうだった 間近に見た何げない 私だけの笑顔 「けどあの眼鏡のボウズ!…あいつ、かなりデキるぜ」 オレほどじゃないけどな、といって自身満々にふんぞり返って。 「楽しそうだね」 「おぅ!今は白馬のヤローもいねーからな、このオレと対等に渡り合えるのはアイツくらいだ」 キラキラとした瞳でそう語る快斗が、なんだかすごくカッコ良くて。 私を映して 一途に光る君の瞳の輝きに導かれ 未来は変わってく ガラにもなく、ちょっとときめいたりなんかしちゃって。快斗が楽しそうだと、私も楽しい。快斗が嬉しそうだと、私も嬉しいんだよ。 これから先 こんなきらめく こんな胸が高鳴る 想いをいくつ感じていくと思う? なんかちょっと楽しい なんかすごく嬉しい 君と完成してく Dream×Dream 結局、そのままそこで大分長い時間を過ごしてしまった。 「っふぁ〜あ〜…。おい、そろそろ降りねーか?」 「…んー、そうだね…ふぁ〜…」 快斗が大あくびをした横で、もあくびをする。 「真似すんなよ」 「快斗のあくびが大きすぎたから私にもうつったの!」 「はぁ?」 Life となりで君 大きなあくび 私にも うつって ねえそんなふうな 「…もしかして、オレのこと心配して来てくれたのか?」 あまりにも突然なそのセリフに、は飛び上がった。 「ばっ…そ、そんなんじゃないよ!自惚れないでっ!」 慌ててぶんぶんと両手を振って否定するを見て、快斗はぷっと吹き出してくっくっと笑いだした。 「はいはい。…ありがとな」 「だっ、だから、そんなんじゃ…」 言いかけて、やめる。 …片眉を上げて、おもしろそうにこちらを見ている快斗に気付いたから。 『どんな風にいいわけをするんだ?』って言われてるみたいで。 「…せいぜい悪化しないようにねっ!」 「はいはい」 小さな小さな幸せが とても特別にとなっていくんだ 何て無いことが 君となら 「快斗となら…」 「え?」 これから先 君と二人で一つになる喜びを “幸せ”って呼んでいくことになる なんかちょっと楽しい なんかすごく嬉しい 君と完成してく Dream×Dream 「…ううん、なんでもない。」 「…なんなんだよ?」 「だからなんでもないってばー」 一緒に、夢を創っていけそうだよ。 夢じゃない、夢みたいな世界を…ね? ---------------------------------------------------------------- 2004.5.28 BACK |