ハロウィンパーティーへようこそ! 「お帰りなさいませ、お嬢様。」 「おじょっ……?」 扉の前に立っているのは、いつもジャージ姿しか見かけない服部先生だ。 その服部が、何故かフォーマルな服装で、脇にはメニュー表など抱えてにこりと微笑んで「お嬢様」とのたまったのである。硬直するのも仕方がないだろう。 「あ、あの…先生、確か、今日はハロウィンの特別趣向ってことで、こちらで先生方が喫茶店を…開店されてる、って聞いてきたんですけど…」 おそるおそる聞けば、変わらずフォーマルスタイルの服部がにっと笑って言う。 「せやから、喫茶店や。今流行りの“執事喫茶”っちゅーな」 「しつ……じ………」 いち高校で、男性教諭数名が、執事喫茶。 (いや〜…おかしいだろコレ…って誰かつっこんでくれ……) 逃げたいなあとか思っていると、それを察したかのように服部がメニュー表を開いた。 「わけあって、オレは案内係オンリーやけど…さ、当店のメニューは品揃えも豊富やでぇ?ささ、どうぞご自由にお選びくださいませ、お嬢様?」 「選ぶ、って言われたって……」 手渡されたメニュー表を見る。そこに書かれていたのは…… 【神出鬼没、キザなナイスガイ系】 【天真爛漫、天然やんちゃ系】 【眉目秀麗、クールビューティー系】 【穏着沈黙、大人の魅力系】 【冷静沈着、指名率ナンバーワンの当店キング】 「…せんせー。」 「ん?なんや?」 「コレ、執事喫茶っていうよりはホス……」 「はーい一名様ご指名はいりマース!」 「ちょっ……!?」 |